【本日の目次】
太もも前側が痛い 2ヶ月以上完治しないしびれと痛み
以前、右の太もも前側の痛みとしびれが3週間ほど続いているということで来院されたS様。
1回目の施術後、太もも前側の痛みが大幅に軽減されました。
その時の詳しい内容はこちらの記事でご紹介しています。
その後、S様から2回目となる太もも前側の痛みの治療のご依頼をいただきました。
前回の施術から1ヶ月半を過ぎたころでした。
右太もも前側の痛みとしびれの神経痛症状が現れている期間が、
1回目の鍼灸治療を受けられる前に3週間、
2回めの来院まで1ヶ月半、
トータル期間、2ヶ月以上も完全に治り切らないまま神経痛症状が続いていたということです。しかも、症状が悪化してる状態でした。
太もも前側の症状について
2回目のご予約日に来院されたS様は、少し右足を引きずっていました。
神経痛が現れているときの歩き方の特徴でした。
現在の症状についてお伺いすると、整形外科で治療とリハビリを受けていたとのことでした。
診断では 「坐骨神経痛といわれ、リハビリで骨盤周りの筋肉を強く押されて筋肉痛のようになった(;´・ω・`)」 とのことでしたΣ('◉⌓◉’)
坐骨(ざこつ)神経痛は、お尻から太ももの裏側、ふくらはぎ、足の小指にかけてのエリアにしびれと痛みが現れる症状です。 坐骨(ざこつ)神経は、右太もも前側の神経(大腿神経)とは違うグループの神経に分類されます。
そこで、S様に太もも前側のしびれと痛みが現れている場所はどのエリアなのか、あらためて確認しました。
S様「太ももの後ろは全然なんともないです。前回、香庵に来た時と同じです。やはり症状は、右太もも前側です。前よりも、ものすごく痛くてしびれもあります」 とのことでした。
さらに、整形外科でのリハビリでは、本来の右太もも前側エリアに関わる神経痛へのケアはまったく受けられていらっしゃらないご様子でした。
基礎的な解剖の知識で判断できるはずの神経系の分類がなされていなかったようですが、そもそも、なぜ坐骨神経痛と診断を受けたのかはナゾでした(。´・ω・)?
その結果…症状がぶり返して現れていました(T_T)
さらに神経痛症状から逃れたい反応で、全身がこわばり緊張して硬くなっていました。
メンタル面にも不安感が現れていて「もうずっとこのままなんじゃないか…」と感じるようになっていらっしゃいました。
太もも前側の痛みに関する、香庵の診断・分析
神経痛の治療ポイントは、
神経痛が現れている部位を通っている神経の根っこを見つけること、です。
神経の根っこは、身体の中心、背骨または骨盤の中心(仙骨)の際にあります。
S様は右太もも前側に痛みやしびれがあり、その神経の根っこは腰椎3番と4番にありました。
神経痛の原因は、神経の根っこが、深部の筋肉の強いコリによって長期間、持続的に圧迫され続けることで血行障害をおこし、痛みやしびれ症状となります。
神経痛の症状の特徴は、圧迫されている部分(神経の根っこ)の末端部分に痛みとしびれが現れることです。
S様には、右太もも前側の痛みとしびれの原因は右太もも前側ではなく、神経の根っこを圧迫している腰の深層の筋肉の強いコリをゆるめる治療が必要であることを改めてご説明しました。
太もも前側の痛みの施術内容と経過
前回同様に、仰向けでお身体全体の筋肉のこわばりをゆるめてバランスを整えた後、うつ伏せになっていただきました。
S様の右太もも前側の痛みとしびれを起こしている神経の根っこである腰椎3番、4番の右側の際を中心に鍼を使って筋肉をゆるめていきました。
施術後、S様にいくつかの動作をして症状の現れ方を確認していただきました。
「動くたびに不安だった痛みが大幅に軽減されました」とのことでした。
そこで今回の施術はひとまず終了しました。
神経痛症状改善に向けての3つのステージ
神経痛は、神経が長期間、圧迫され続けてダメージを受けていることが考えられます。
その原因である深部の筋肉の強いコリをゆるめて血行を促し、圧迫されていた神経が回復するプロセスが必要です。
神経痛が起きたとき、症状改善に向けて大きく3つのステージに分けてケアしていきます。
神経痛症状改善に向けて3つのステージ
1.神経痛症状の治療期
まずは神経を圧迫している深部の筋肉のコリをゆるめて血行を促し、神経のダメージを回復させる体内環境を整えます。
神経がダメージを受けている期間が長いほど、この治療期間は長くなることもあります。
しかし、根気強く神経を圧迫している深部の筋肉の強いコリをゆるめて、神経の周囲の環境を改善していくことで、神経痛症状は治まっていきます。
2.日常生活の見直し
日常生活の中で座っている・立っているなど、1つの姿勢で長時間過ごすことが多いと、深部の筋肉が縮こまって硬くなり強いコリがつくられます。
そのため、深部の筋肉をゆるめても、その後も長時間同じ姿勢を続けるかぎり、また深部の筋肉が縮こまって硬く強いコリをつくりやすくなってしまいます。
そのためからだの内側のコンディションを整えるとともに、日常生活の中で同じ姿勢を続けていないか見直すことも必要になります。
3.神経痛を予防する
神経痛の症状が改善してきて、痛みやしびれがなくなってきたら、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動で全身の筋肉を動かしていきます。
身体のいろいろなパーツをまんべんなく動かすことで、より柔らかく軽やかなお身体づくりを心がけて、神経痛の痛みとしびれ症状の予防をします。
【神経痛ガイドブック~間違ったケアで症状を長引かせないために(五反田 鍼灸院) より抜粋】
神経痛改善に向けての情報をお探しの方に向けてこちらで詳しくまとめています。
鍼灸治療中、S様からは、
整形外科で腹筋を鍛えるよう言われたけど、神経痛が痛すぎて腹筋の姿勢を取れない
リハビリでは腰まわりの筋肉が硬すぎるから自分でもストレッチしてください、って言われたけど、神経痛が痛くてストレッチできない
温めたら少しはよくなるんでしょうか?
自分でできることは何かありますか?
などのご相談もいただきました。
しかし、これらは【神経痛症状改善に向けての3つのステージ】でいうと、日常生活の見直しのステージでのケアです。
この時点でのS様は、足を引きずって歩いてしまうほど、電気がビリッとくるような強い神経痛のしびれと痛み症状がありました。まずはその症状を緩和・改善していく神経痛症状の治療期の段階でした。
神経痛の症状が悪化するほど、このツラい症状から早く逃れたくて焦る気持ちになりがちです。何かやれることがあれば何とかしてがんばりたい!と感じるのは当然ですよね。
でも、その症状は、神経が長期にわたってダメージを受け続けた結果です。その原因である深部の筋肉の強いコリをゆるめて血行を促し、圧迫されていた神経が回復する期間が必要です。
そしてS様はこれまできっと、神経痛の症状が現れるほど普段からがんばり過ぎたり、ムリされたりされていらしたのではないかな?と思います。
今は、ここまでがんばってきた自分自身を振り返って、
すっごくがんばってるなぁ〜〜〜!
今までよくやってきたなぁ〜〜〜!
私の心とからだお疲れさま~~~!
って、ねぎらって甘やかしてあげる時期なのかもしれないですね(*´∀`*)
そんなふうに神経痛の治療期を過ごしていただきながら、次のステージである日常生活の見直し期に移行していただけるような治療計画をご提案しました。
前回と同じように、S様のお仕事やご家族の介護、整形外科の受診、リハビリなどのご予定がある状況を前提に、次回またご都合の良い日時をご連絡いただくことになりました。
太もも前側の痛み治療の振り返り・院長より
今はS様にとって、神経痛の症状の「治療期」にあたります。
あまり治療期間を開け過ぎると症状がまたぶり返す可能性があり注意していただきたいポイントでした。
S様も、今のタイミングで治療の期間があくことは得策ではないことを実体験を通して感じていらっしゃいました。
S様、次回のご連絡をお待ちいたしておりますね!
神経痛の症状改善に向けてのステージをひとつひとつ確実にクリアしていただいて、本来のS様らしい柔らかで軽やかなお身体を取り戻していただきたいと思います(*´▽`*)
いつもご利用ありがとうございます。
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)について
当院の院長、加藤は国家資格を取得しております ・鍼師(2000年~) ・灸師(2000年~) ・あん摩マッサージ指圧師(2000年~) また、第43回日本伝統鍼灸学会学術大会、世界鍼灸学会連合会学術大会WFASなどにて発表経験もあり、研究成果の発表も行っております。
場所:東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号
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