先日、数か月振りに40代女性の方が来院されました。
お仕事も忙しく環境も変化し、ストレスが溜まりお疲れが取れないことにお悩みでした。
香庵では、お疲れが激しく気力体力ともに消耗されていらっしゃる方の治療は優しく丁寧に確実に回復を後押ししていくような治療を行っています。
この日は、来院時には細くてかすれたような声質も施術後はしっかりした発声に戻られてました。
全身の緊張も取れてコリがほぐれてゆるめることができたようでした(*´▽`*)
これで、睡眠を充分にとっていただいて、おからだの回復へとつなげていただけるといいな~、というところでこの日の施術は終了しました。
ある治療方法についてのお悩み相談
施術後、ある治療方法についてのご相談をいただきました。
実は、その治療方法は香庵では行っていないものなのでした(´;∀;`)
ご相談内容は、
香庵のような治療ではなく、こんな治療の方が効くような気がするんですけど、どうですか?
といったご相談内容でしたΣ(・ω・ノ)ノ!
ま、まぁ、微妙な感情が揺らめきやすいナイーブな質問をズバッ!と切り込まれたような形になりましたけど・・・(笑)
信頼関係ができているからこそのご相談だよね・・・多分。ということでお答えしてみました(ノ´∀`;)
もしかしたらこの記事を読まれていらっしゃる方の中にも、これからご紹介するような治療方法についてご経験のある方やご検討中の方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような方がもしいらっしゃいましたら何かの参考になるかもしれないと思いました。
その内容をシェアしますね!
効果を期待して受けたい治療方法とは
今回ご相談いただいた内容というのが、具体的には、
もっと強めの治療方法を行っている施術所に行った方が良いのではないかと思う。
そっちの方が早く治るような気がするのだけど・・・
という内容でした。
この数か月間、疲れがたまり、イライラするようなストレスが増えてこの状況をどうにかしたいと思っていらしたそうです。
(香庵には来たいと思っていたが、自宅近くに保険診療をしている整骨院があり3ヶ月間通っていたとのこと)
ストレスフルな状況が続いていて疲れが取れない!
寝ても全然疲れが取れない!
何をやっても身体の疲れが取れなくてイライラする(>_<)
呼吸をするのも疲れすぎて結構シンドい!
職場に合わない人がいてイライラする(>o<)
早く良くなりたい!!!
なんなら「ガッと一気にやっちまってガッと効くヤツで治るんなら多少痛くても刺激強めでも構わないっ!」くらいに思っている!!!
…的な状況が続いていて、この状況を一気に逆転したくて、「ある治療を受けようと思っている」というご相談でした。
その治療方法とは、
内出血をわざと起こして血管が修復されるのに従って身体の組織も回復するのを狙ったものだそうです。
内出血をからだに起こす、ということ
その治療方法がダメとか良いとか先に判断するよりも・・・
その前にチェックして欲しいことがあって。。。(o^―^o)
それはご本人の疲労の程度と季節的なタイミングなんです。
チェックポイントを3つに分けて見ていきますね。
チェックポイント1.
梅雨入りした今の環境が湿度が高く、身体の代謝が落ちやすく回復に時間がかかること。
ジメジメとしたこの時期、疲労が溜まっているとちょっとしたキズもジクジクして傷口が塞がりにくく治りが遅かったりします。
空気中の水分量が増え、皮ふからの水分(汗)の発散作用が働きにくくなると、体内に水分が溜まりやすくむくみやすくなります。
むくみとは、血液の流れが滞って、組織に余計な水分が溜まることですが、この状況で内出血させると、内出血が広がりやすかったり痕が消えにくくなるのは想像しやすいのではないかと思います。
チェックポイント2.
この時期、五臓六腑のとくに「心 (循環器系)」に負担がかかりやすくなること。
気温が上がり暑くなると身体は汗を出して体温バランスを保つようになります。
でも、どこでもエアコンが完備された現代では、夏型の"汗をかこうとする身体"と冷房で冷えて冬型の"体温を上げて温めようとする身体"の両方の機能を切り替えながら過ごすことが多いですね。
この細かな切り替えを夏の間中強いられると、身体の体温調節をコントロールしている自律神経系の機能に負担がかかってきます。
自律神経系の働きに負担がかかりすぎると心臓血管系も働きがうまく機能しにくくなります。
その結果、倦怠感や疲労感が溜まり、ふくらはぎがつったり(こむら返り)、しつこい肩こりや腰痛など血行不良を伴った症状が現れやすくなります。
チェックポイント3.
疲れが溜まっていると胃腸に負担がかかり疲労回復のためのエネルギー源を取込むのにもエネルギーを使いやすいこと。
蒸し暑くなると冷たい飲み物や喉ごしの良い冷たい食べ物を取りがちになります。
熱中症予防の観点からも水分補給は大事です。
でも、冷たいものの取りすぎは消化不良や食欲不振、下痢、だるさなど夏バテ特有の胃腸症状を起こすことになります。
本来、生命を維持するためのエネルギー源を取り込む最初の入り口である胃腸にダメージを与えることで、からだに必要な栄養素を吸収しづらくなると、からだ全体も疲労しやすくなります。
血液の成分が薄くなり貧血になるケースもあります。
以上、3つのチェックポイントを挙げてみました。
とくに疲れが激しいことにお悩みの方は、身体の機能全体に負担がかかりやすくなっています。
このような体調の時に血管を傷つけてわざと内出血させるようなことをすると、
ただでさえ疲れ切って回復しにくい身体に、さらに循環器系の働きに傷をつけて負荷をかける侵襲刺激になる可能性がある…ってことなんです。
とはいっても、もしかしたらこんなケースでは全く問題が無いかもしれません。
めっちゃ元気で頑張りすぎて「あっちゃー!肩こりましたわー!(ノ´∀`*) 」くらいのノリで、体力的に余裕のある方のケース(血の気が多い、といわれるタイプ?)です。
多少強めの刺激でも受け入れキャパはあるかも知れません。
だからって、内出血させてもOK!どんどん行きましょう~!・・・とは私は言わないけど(笑)
疲れが激しくて回復にお悩みの方へ
例えば大病してやっと起き上がれるようになった方に、最初からステーキとカツ丼と鰻重は食べさせないですよね(笑)
多分、まずはお粥とか消化に良いものから食べさせるんじゃないかと思います。
同じように、疲労が溜まって体力気力ともに落ちた方にもお粥くらい優しめの治療方法から始めてステップアップしていくイメージをつかんでいただけたら良いな、と思います。
そうは言っても・・・
即効性のある治療方法を求めるのは人の常!?
そうはいっても、、、
早く結果が欲しい!
サッ!と治りたい!
強めの刺激でもすぐ治るんなら覚悟するっ!
その気持ちはめっちゃくちゃよーーーーーく分かるんですっ!
たしかに一瞬の強い刺激でパッとお手軽に治って、その後何もなくなっちゃえば楽ですもんね!(笑)
内出血を起こすという治療方法
~香庵では行っていない理由~
内出血させて回復させる、という治療は香庵では行っていないのでその治療事例を出すことはできないのですが・・・
このような治療方法に関する私自身の経験談1~4を最後におまけ付きでご紹介しますね(笑)
経験談~その1~
私自身は、中・高校生時代に通っていた鍼灸院の先生に鍼灸治療と併用して吸角療法(吸い玉療法、カッピング)という治療を受けていました。
吸角療法(吸い玉療法、カッピング)とは
ガラスまたはプラスチックのカップのようなものをいくつも背中全体に乗せて、そのカップの中の気圧を下げて真空状態にします。すると皮ふが引っ張られて皮膚表面に近い血管が破裂し内出血を起こすんです。
「血行が悪いところほど、内出血のあとが紫色に残り、その痕が消えていく中で血行が良くなる」とされています。
経験談~その2~
実際に鍼灸師の免許を取ってからある団体の講習会に参加したときに吸角療法についての講習を受けたことがあります。
しかも、その講習中にもし本当の治療中だったら事故になってた可能性があることも体験しました。
(実習生どうしでの練習中に起きたものだったのですが、臨床でもしも実践する場合の課題について考える機会となりました)
経験談~その3~
さらに内出血を始めとする治療方法を提案している団体の臨床実習にも立ち会ったこともあります。
↑こちらは事情であまり詳しく説明できないです☆ごめんなさい......( ̄▽ ̄;)
経験談~その4~
また4~5年前ですが、体力気力ともに落ちていた時期に内出血はさせないけれど同じくらいの強めの刺激で行う治療をされる先生にお世話になっていたことがあります。
勉強会もかねて通わせていただいていたのですが、その時に受けた治療の強さに身体がキャパオーバーして治療中に意識がなくなりかけました( ̄▽ ̄;)←2回ほどですが☆
治療してくださった先生からは「あんたは体力気力ともに無さすぎ!!!」と怒られ、
んなこと言っても無い袖は振れませんぜ〜!先生〜〜〜!(笑)
といったやり取りをした懐かしい想い出があります( ´∀`; )
あまりにも疲れが激しい身体の状態で強刺激による治療を受ける注意点を学ぶことができました。
「未」経験談~おまけ編~
これはさすがに怖すぎて未経験なのですが・・・
*注 : かなりグロテスクな内容なので、苦手な方は大きな見出しの「香庵が大事にしている治療ポイント」へお進みくださいね!(ノ´∀`;)
さて、それでは「未」経験談~おまけ編~をご紹介しますね!
それはヒル療法というものです。
ヒルをコリが強いところに吸い付かせて血を吸わせる治療方法です。
香庵に来院される60代男性からお伺いしたお話では、その方のお父様がよく受けていらしたそうで、子供の頃、怖くて遠くから眺めていたそうです~Σ( ̄▽ ̄;)
血を吸ってパンパンに膨らんだヒルは自ら床に落ちるそうで、灰のなかに入れると血を吐くので繰り返し皮ふに吸い付かせて血を吸わせ続けるそうです・・・・・・(*_*)
ヒル療法とは
ヒルの唾液には血液が固まらないような物質(血液抗凝固作用)があって痛みを感じない麻酔効果もあり、悪い血を吸いだしてくれるそうです。
ヒルは漢方薬の材料として血行促進や女性の月経トラブルなどに使用されることもあるそうです。
もちろん、生のヒルではないですよ!生薬として処理されたものを使います。
とはいえ、アウトドアなどで水場でヒルに吸い付かれたりした場合はすぐにはがしましょう。
・・・・・映画『スタンド・バイ・ミー』でもそんなシーン、ありましたね~!(ノ´∀`*)
香庵が大事にしている鍼灸治療のポイント
私自身はこうした経験から、強めの刺激やそれらの治療方法がダメとか良いとかの問題ではないように感じています。
ただ、強い刺激は慣れてくると、もっと強い刺激を求めてしまうものですよね~。
強い刺激は求めようと思えば、ヘンな話、いっくらでも強くすることはできます。
満足感あるしそっちが良い!という感覚にもなりやすいかもしれません。
だけど、疲労が激しく回復できなくてお悩みの方にとっては、強い刺激を求めすぎるとお身体への侵襲刺激となる可能性があるので、そこだけは気をつけていただきたいと思います。
香庵が大事にしている治療のポイントとして、その時のご本人の体調に合っているかどうかの方が大事なのではないかと思います。
香庵では、お疲れが激しく気力体力ともに消耗されていらっしゃる方の治療は優しく丁寧に確実に回復を後押ししていくような治療を行っています。
強い刺激ではないし、内出血を起こしたりしないのでインパクトには欠けるかもしれませんが・・・(;^ω^)
ご本人の体調に合わせて無理のない治療方法で、長期にわたるお身体のお疲れを労わるようにゆるめて回復をサポートできたら嬉しいですね!
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)
東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号
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