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呼吸の仕方が首の痛みを引き起こす理由とは?首の痛み改善事例 50代 男性(五反田 鍼灸院)



症状について



定期的に来院されている50代男性K様。


朝起きて首を動かした瞬間、首の右側にピキッ!と鋭い痛みが出現。

その直後から顔を右斜め下に向ける角度で首の右側が痛むようになった、とのこと。






香庵の診断・分析




仰向けで首の状態をチェックすると、左右それぞれに強いコリがありました。

特に症状のある右側には、首から肩までスジが引き連れているような張り感もありました。




また、脈診(手首の脈で体調をみる、東洋医学の診断方法)では、疲労した状態が長引き、回復する力が発動しにくい状態と現れていました。




お仕事で細かなチェックが必要とされる作業や、パソコンでの長時間作業、また、寒い日が続いたときに自転車で移動することがあり、からだが冷えてしまったことなど、様々な要因が重なり、首や肩への負担が大きく症状となって現れたのではないか、と分析しました。






施術内容と経過




K様の治療は、おからだそのものが疲労して回復力が発動しにくい状態になっていました。




今回の症状は首の痛みですが、この状態でいきなり患部の治療をしても、回復しにくい、という条件の下では、治療効果も治療効率も上がらないことになってしまいます。




この悪条件をまずは取り除くために、回復力を発動しやすいおからだのベースづくりから始めました。




専門的な表現になってしまいますが、脈診では腎虚証(じんきょしょう)。復溜(ふくりゅう)という足首のツボに鍼をすることで、おからだのベースを整えました。




ご本人の回復力が発動するだけでも、おからだの歪みやコリは取れるものがあります。

たとえば、今回は左右の足の長さのズレが消えて、首や肩の強いコリがゆるんでいきました。




しかし、それでも未だ残る症状に対しては、からだの回復力だけでは間に合わない筋肉の疲労やコリとして治療が必要になります。




この手順をしっかりと守ることで、鍼やお灸によるおからだへの刺激を最小限にとどめながら、厳選したツボを効果的に使い、無駄のない治療ができるようになります。





仰向けの状態で、首や肩のコリや引きつれ感をチェックし、それらのコリ1つ1つを経絡の流れを診ながら緩めていきました。

首や肩のコリや引きつれ感が取れたところでうつ伏せ姿勢になっていただきました。




うつ伏せ姿勢では、治療ポイントになる首と肩の境目を中心にみていきました。




治療ポイントを見つける時の具体的な診方は、首と肩の境目(横のライン)と背骨(縦のライン)を十字に重ねてイメージして、ツボを探します。





すると、首の骨の左右の際に特徴的なコリが現れていました。




うつ伏せで力を抜いた姿勢でリラックスしていただいているはずなのに、強く縮こまって硬い塊になったコリでした。




さらに、左右の筋肉がお互いに引っ張りあって動きを止めているような緊張した状態となっていました。




これらの強いコリと筋肉の緊張を緩めるため、関連した背骨の際に鍼とお灸をしました。




同時に、鍼灸治療の効果を持続させる背中のツボを使って、身体の左右バランスや歪みなどを整えました。




首と肩の境目を中心に、筋肉が緩んで弾力が出てきて柔らかくなったことを確認しました。




再び仰向けになっていただき、首を動かしてチェックしていただきました。

顔を右斜め下に向ける角度で、右の首に現れていた痛みのエリアが小さくなっていました。




首の右側面の筋肉:胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の後縁、かなり奥深いところで1点に絞られた痛みを捉えることができました。




今回、K様が首の痛みを感じたおおもとの「痛みの核」でした。


痛みの「核」。それは斜角筋という筋肉の強いコリが原因だったことが判明しました。




斜角筋の引きつれをゆるめる鍼の刺激によって斜角筋をゆるめ、再び首を動かしていただくと痛みがとれていたので、治療を終えました。





治療の振り返り・院長より





斜角筋は首の筋肉ですが、深呼吸をするときに肋骨を引き上げ、肺が空気を取り入れるのを助けます。

もう一つの働きは、腕へ向かう神経や血管の通り道を作っています。




息を詰めて、物事に集中するような作業を長時間続けることで、日常的に息が浅くなると斜角筋が緊張して硬くなります。




首を動かすことでさらに筋肉が縮むので、神経や血管を圧迫して痛みを引き起こしたと考えられました。





K様のお仕事柄、オンオフの切り替えが難しく、緊張状態が長時間に及ぶことも多いため、定期的なおからだのメンテナンスを受けていただいています。




呼吸に関係する斜角筋のコンディションは、今回はひとまず痛みが消えましたが、ライフスタイルを変えることは難しいため、再発の可能性には注意する必要があります。




そのため、今後の治療でも継続して診て行くことにしました。

定期的に来院いただける中で、おからだをメンテナンスしながら、リラックスしていただく場所として、今後も香庵をご利用いただけるとうれしいです。





いつもご利用ありがとうございます。




 

五反田の鍼灸院 香庵(かのん)

東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号

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