
小学生の頃から鍼灸治療を受けているK君。
今年度、中学校へ進学されました!おめでとうございます!ヾ(*´∀`*)ノ
小学生から中学生の時期のお子様のからだは、成長に段階があり、心身の変化も大きく、鍼灸治療ではからだの変化に合わせて鍼灸治療の内容を微調整しながら診療します。
香庵では0~12歳までのお子様の鍼灸治療は「小児鍼」メニューにて行っています。
まだ幼く可愛らしく純粋だったあの頃・・・
小児鍼のお話の前に、小児鍼の対象となる、お子様のおからだについてご紹介します。
これは、現在、大人の方は、かつて「幼く可愛らしく純粋だったあの頃♪」のご自分のことをちょっと思い出しながら読んでみてくださいね!
「あのころ、からだの中ではこんな変化が起きていたんだなぁ~」
「ちょっと不安定で荒れてる時期もあったけど、理由があったんだなぁ~」
「だから大人になれたんだなぁ~」
と、一瞬でもご自身のおからだへの愛おしさを改めて感じていただけたらうれしいです(^_^)
からだの発育は段階的&男女差があると考える東洋医学
「小児鍼」メニューは、お子様の診療に特化した鍼灸治療です。
お子様の鍼灸治療では、子どものからだはまだ「腎気(じんき)」が作用していないとされる東洋医学の原則がベースになります。
「腎気」ってあまり聞き慣れない言葉ですよね。腎臓に関する何かの「気」?みたいな・・・
ここでは腎臓そのものは関係ないので、ひとまず置いといてくださいね(;^ω^)
「腎気」とは、両親から受け継いだ生命力を充分発揮するためのエネルギーです。
このエネルギーによって目標達成のための集中力が上がり継続して行う力が生まれるとされています。
「腎気」は、骨格の成長を促してしっかりとした体格をつくり精神面を安定させる力があります。
心身が整い、冷静な判断力で物事に対処する力が備わるため、手際よく行動できるようになります。
武術などではおなじみの下腹部の「丹田」は、何事にも動じないで、物事を見極め、冷静に判断できる力をおさめる場所とされていますが、これも「腎気」に通じています。
さらに「腎気」は、女の子と男の子で発育の速さが違うと東洋医学では考えられています。
女の子は、7歳から女性としての成長発育の準備が始まり、14歳でその準備が整う。
男の子は、8歳から男性としての成長発育の準備が始まり、16歳でその準備が整う。
さらに女性は21歳、男性は24歳で「腎気」がもっとも充実して骨や筋肉がしっかりしてきて毛髪も豊かで美しく、身長も伸びて、一番元気な時期を迎えるとされています。
「腎気」についてご紹介してきましたが、「腎気」のイメージがなんとなくつかめたでしょうか?(o^―^)b
西洋医学的にみると「腎気」は、
発育期の骨や筋肉の成長を促す成長ホルモン、
男性ホルモンや女性ホルモンの分泌、
基礎代謝を上げたり歯の発育を促したり精神活動を刺激する甲状腺ホルモンなど、
からだの内部環境を整えて、内臓や筋肉、骨、精神面など様々な機能をバランスを取りながら調節する内分泌系の働きをするものに近いとも言われています。
「腎気」は、生後数年経ってから発動するエネルギーで、少しづつからだの機能や発達に影響し、精神的な発育・活動を促します。
しかし、まだ心身共に発育途中のお子様にとっては、そのエネルギーの現れ方が不安定で個人差があり、バラツキが大きいことから体調面に影響が現れることも多いです。
でも、そんな不安定なエネルギーをサポートしてくれる周囲の大人の存在が、これからの長い人生を歩むお子様にとって成長時期の支えとなり、心身の基礎を作っていけるのですね!
もちろん、かつての「お子様」だった私たちも(笑)、このからだの基礎を作る時期を経てきています。
大人のからだにとっては、今後「腎気」を極端に減らさないようにすることが大事になります。
(がんばりましょう~!^o^)
お子様のすこやかな発育をサポートする小児鍼
このような「腎気」の働きを、小学生から中学生の時期のお子様の発育段階で、すこやかに伸ばしていくサポートをするのも鍼灸治療で行う「小児鍼」メニューの特徴です。
お子様の鍼灸治療「小児鍼」では、鍼先が丸くなっている刺さない鍼「てい鍼(しん)」を使います。
香庵では治療の前に、鍼やお灸の道具を見せて触れてもらうようにしています。
「腎気」がまだこれから発育していく段階にある時期は、心理的に恐れ驚きやすいとされています。
丹田が充実してどっしり構えている武術家とは逆の状態というとイメージしやすいかもしれないですね(^_^)
自分にとって「怖くない場所」だと理解し安心してリラックスしてもらうことが、からだの発育段階への対処というだけではなく、こころの安定や回復力にも良い影響を促していってほしいから。
「この鍼やお灸を使おうかなーって思うけど、大丈夫かな?怖くないかな?(・u・*)」っていうふうにお子様一人一人に必ず聞きます。
鍼やお灸の道具そのものを見せて、触れてもらって、馴染んでもらうこと。
ご本人の回復を上げていくためにも、治療をリラックスして受けてもらうこと。
鍼灸治療の効果を最大限に引き出すためにも大事にしているプロセスなんです(^^♪
ありがたいことに「怖いー!イヤだ―!(ToT)」っていう子は今まで一人もいなくて、むしろ、鍼灸のことを説明すると、じーっと聞いてくれたり、しっかり見てくれたりするので、私も伝わるように真剣に対峙する瞬間でもあります。
赤ちゃん用の「刺さない鍼」から「大人用の鍼」へ
K君は、初めて来院した時は緊張気味だったかもしれないけれど、今ではすっかり慣れてくれたようで、それまで「てい鍼(赤ちゃん用の鍼先が丸くなっているタイプの鍼)」を使って治療していたのですが、小学6年生の時に「大人用の鍼で治療を受けたい」とのご希望があり、今では大人用の鍼を使って小児鍼メニューを受けていただいています。
お子様によってタイミングは様々ですが、鍼灸治療(小児鍼)に慣れてくることによって、自発的に大人用の鍼のご希望をいただくケースが多いです。
「大人用の鍼デビュー、緊張するんじゃないかなぁ?私は中2でデビューしたし、無理しなくてもいいんだよ~」と伝えるんだけど「全然大丈夫!」と返されたりなんかして、私の方がビックリするくらい皆さん堂々と鍼灸治療受けてます(笑)
鍼灸治療への感受性、ご本人の感性の豊かさとの共通点
K君のすごいところは、お父様のお忙しい様子を観察していて「そろそろ鍼灸治療行った方がいいよ!一緒に行こう!」とお父様を誘ってお二人で治療を受けに来院されたり、
お母様が来院される際に「僕も予約して一緒に行く!」と、おからだのメンテナンスのタイミングをご自分で調整しているところなんです!

お子様がここまでご自分のからだの感覚を感じ取ってメンテナンスのタイミングをつかめているのは本当にすごいことなんです(o^―^o)
その感覚はもしかしたらK君のアーティストな一面とも関係しているのかもしれません。
独特の造形センスと創作モチーフ選びによって、小さな部品を組み合わせて一つの形に創り上げ、さらにそれらのパーツを立体的に組み合わせていく細やかな技術でオリジナリティあふれる楽しい作品を創作されています!
去年、裏原宿の秘密基地とも称されるギャラリーにて展示会があり、観に行かせていただいたのですが、すてきな時間を過ごさせていただきました!(*´▽`*)
K君の集中力と継続する根気強さが必要な創作活動を支えるからだのエネルギーは、まさに東洋医学における「腎気」の働きがベースとなっています。
K君にとっての「腎気」は、まだまだ伸びしろを残していてこれから発達が目覚ましいエネルギーの1つです。今年は、新しい学校生活がこれから始まっていく特別な年となりますが、今後、作品創りや学校での活動など、さまざまなシーンでの活躍が楽しみですね!
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