
最近、首や肩こりにとても悩んでいる方が多くなってきました。
自宅で過ごすことが多くなり、スマホやパソコンを見る時間が長くなったことも原因のようです。
その中でも、特に、朝起きたとき、首が痛くて動けないほどツライ、というお悩みを頂きます。
病院でレントゲンを撮ったら、「ストレートネック」と診断された方もいらっしゃいます。
ストレートネックの何が問題なの?
ストレートネックとは、本来背骨全体はS字カーブの曲線を描いているのですが、その一部である首の骨(7つの頸椎:けいついが縦に積みあがっている)にあるはずの緩やかなカーブがまっすぐ(ストレート)になった状態です。
姿勢を良くするときにも「まっすぐ」って使いますよね。
ストレートネック=首がまっすぐ。
なんか、それって良いことなんじゃないの?って混同しそうになりますが、そうではないんです。
ストレートネックの問題点は、「まっすぐに固まった状態」が原因で、身動き(首の動き)できなくなることなんです。
ストレートネックが原因で起こる症状
首の骨は背骨の一部なので、そこから背骨全体の動きが悪くなってきます。
肩や腰などのコリや痛みを慢性的に抱えやすくなる。
神経が圧迫されて頭痛、眼精疲労、吐き気、めまい、腕や手のしびれが出やすくなる。
手の冷えや慢性的なだるさ、血行不良などの症状。
呼吸が浅くなり、眠りが浅い、夜中に突然目が覚めるなど不眠症状。
疲労が回復しづらくなり、やる気がでないなどメンタル症状。
このような不快な症状が続き、毎朝起きたときに首が痛くて動けない・・・!
1日の始まりがそんな状態からスタートするなんて、考えただけでも憂うつになってしましますね。
ストレートネックの人の首と肩の特徴
このようなストレートネックと診断された方の首や肩には、とても大きな特徴があります。
それは触れてみただけでもハッキリとわかるほどの大きな特徴なんです。

その特徴は、大きく分けて2つ。
1、頸椎の両側に強いコロコロとしたコリがあること。
2、第7頸椎の両際(首と肩の境目)に筋肉が盛り上がってガチガチに硬くなっているコリがあることなのです。
首と首から肩にかけての部分には、首を細やかに動かすための筋肉と、成人で約5kgほどある頭全体の重さをコントロールするための筋肉があります。
しかし、これらの筋肉が疲労することで硬くなり、頸椎そのものや、その周囲の血管や神経を圧迫して痛みを起こすようになってしまいます。
ストレートネックになるほどの筋肉疲労ってどんなものでしょうか?
どんな筋肉の使い方が筋肉の疲労を起こすのでしょうか?
長時間の○○○○がストレートネックの原因
ストレートネックの場合、「筋肉疲労」といっても、なにか重労働をしたとかで起きることは少ないようです。
それよりも、本人が気づかないほど何気ない動きを長時間続けることで、ジワジワと疲労が溜まり、気が付いたら痛みを起こして「ストレートネック」と診断を受けた、というケースが多いようです。
とくに、今、ストレートネックの原因として挙げられているのが、スマートフォンやパソコンを長時間同じ姿勢で使うことだと言われています。

前傾姿勢やうつむき姿勢、または顎を前に突き出すような姿勢になると、
どうしても頭がからだよりも前へ出ることになるため、首がまっすぐ斜め前へ倒れるようになります。
さらに、キーの操作をするため、肩先が前に出て、背中が丸まった状態が続きます。
このような長時間の同じ姿勢をキープするために、同じ筋肉を同じ収縮力で使うため、筋肉疲労を起こしてコリやすくなり、さらに毎日同じ姿勢を繰り返すことで慢性的なコリとなって痛みが現れます。
ちなみに、ストレートネックは和製英語。英語圏ではtext neckというそうです。この場合のテキストとは、携帯やパソコンでメールなどの文字を入力する、などの意味があるそうですよ!
首や肩のケアでストレートネックを予防しよう
ストレートネックに悩まれる方は枕の高さを変えたり、ストレッチをしたり様々な工夫をされています。
ご自身のからだと向き合う姿勢はとても大事です。からだをゆるめたりリラックスさせる時間を確保することは、筋肉疲労を改善するために有効なので、続けていけると良いですね!
ただ、ここで注意していただきたいのは、筋肉疲労が起きて硬く縮こまった筋肉のコリはストレッチではゆるみにくくなっている場合があるということです。
たとえば割りばしや棒のような硬いものを曲げたり伸ばしたりすると、ポキッ・・・!と折れますよね。もちろん人間のからだは折れないけれど、筋肉を急に伸ばして逆に傷めてしまうことはあります。
また、筋肉が硬く縮こまった状態の首や肩に合う枕の高さと、コリや痛みのない柔らかい首や肩に合う枕の高さは全く違います。(香庵での鍼灸治療中、枕の高さを調節する意味はここにあります。首肩コリの鍼灸治療では、施術前と比べて、施術後の枕の高さが半分になる方もいらっしゃるからです。)
もともと、ストレートネックに悩まれるほどの方は、几帳面で真面目な方が多いんだと思います。
(じゃないと、長時間、同じ姿勢で作業できないですよね!)
だからこそ、ご自身のおからだのケアにも熱心に取り組まれていらっしゃるのだと思います。
そんな方にこそ、筋肉の疲労や硬く縮こまって強いコリを起こしたおからだを、まずはゆるめて、動きやすい状態にすることで疲労から回復する機能を活性化して、良質な睡眠時間を確保していただきたいなぁ、と思います。
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)
東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号
五反田駅をご利用の方
JR山手線・都営浅草線 五反田駅西口改札 徒歩5~7分(約500m)