先日、「美尻鍼」の理論と美尻に関わる筋肉群の検証のため、ダンサーでありダンス講師でもあるT様にご協力いただき、美尻鍼の体験会を行いました。
「ダンサーのからだ」は、ただ、リズムに合わせてかっこよく踊れるだけではなく、そのカッコよさを支えるためのからだ全体のバランス感覚や深部の筋肉群のコントロール能力を必要とします。
ダンスは、無駄な力を抜いていながら激しく動くことを要求される過酷な世界でもあります。
ダンス講師としてのレッスンだけにとどまらず、からだの動きや構造にも造詣が深く、ダンサーとしてのからだづくり専用のレッスンもされていらっしゃるT様と「機能的で無駄のないからだ」について考えました。
美尻鍼のポイント:からだの深部にある大腰筋
からだの深い部分にある大腰筋と腸骨筋を合わせて、腸腰筋といいます。
腸腰筋は、股関節を曲げたり(屈曲)、太ももを外側に向けたり(外旋)、おじぎをしたり、リクライニングの姿勢から起き上がる上体起こしなどで使う筋肉です。
*小腰筋は人類の約40%が持っているとされている筋肉で、二足歩行をする人類よりも四足歩行を行う犬や猫にとって、歩行するときの重要な筋肉として働いているといわれています。
大腰筋は、からだの奥でほとんどが骨盤内にある筋肉です。そのため触れるのは難しいのですが美尻鍼は、この筋肉にアプローチしてゆるめていくことができます。
大腰筋のコリは常に作られている
大腰筋が硬く、コリを強めてしまう原因は、日常生活の中でとても多いです。
たとえば、座っている時、椅子に浅く腰掛け背もたれに背中を預けるような姿勢は、一見、ラクそうに見えるのですが、リクライニングの上体起こしと同じ姿勢でいるために大腰筋を使っています。
短時間ならば問題ないのかもしれないですが、この姿勢が習慣になっていたり、長時間パソコンで仕事をして疲れてくると、大腰筋が常に縮んでいるため負荷がかかってきやすいようです。
大腰筋が縮こまってコリが強くなるとからだが伸びにくくなる
大腰筋が疲労して硬く縮こまり、伸びにくくなると、姿勢が常に前かがみの状態になります。
大腰筋のコリが強くなってくると椅子に深く腰掛けて上体を起こして真っすぐ前を見るという姿勢が、とてもツラいものに感じるようになります。硬く縮こまった大腰筋を ”がんばって” 伸ばさなければならないからです。
そのため、むしろ、疲れる姿勢と感じるようになります。
椅子に座る姿勢によって「ラクに感じるか、疲れると感じるか」は、大腰筋のコリを感覚的に確かめる1つの手段になります。
大腰筋が硬く縮こまりコリが強くなると、慢性的で強い痛みをともなう腰痛を起こしやすくなります。
大腰筋の股関節を曲げる(屈曲)働きも制限されるため、歩行時の歩幅も狭くなり、つまずきやすくなります。
しかし湿布やストレッチなどでセルフケアをしたくても、からだの深部に位置している大腰筋はその効果が届きにくい部位です。
このようなことからだけでも、大腰筋のコリは美しい姿勢や歩行などの動きを邪魔するとても厄介な存在ということが見えてきます。
美尻鍼で大腰筋にアプローチしていく狙いは、疲労した大腰筋を回復させて、腰の伸びやかさと股関節の自由なうごきを取り戻すこと。そして、美しい姿勢と歩きやすさに磨きをかけ、日常生活の中でも代謝を上げていくことです。
大腰筋のコリは舞台で老け見えしてしまう
ダンスのレッスンでは、伸びやかさを欠いた動きは「腰が落ちている」と言ってダメ出しされます。
「腰が落ちている」とは「腰が丸まっている」「上半身と下半身の動きがバラついている」「振り付けに必要な体幹の筋肉が使えていない」「伸びやかさがない」「見た目が美しくない(!)」ということを表していて、この状態で舞台に立つと、年齢に関係なく老け見えしてしまうそうです。
大腰筋は、からだの深部にあり、体幹から股関節までを自由に動かす役目を担っています。
からだの伸びやかさは、深部の筋肉のしなやかさに大きく影響を受けます。美尻鍼によって大腰筋のコリをゆるめる発想は、ダンサーであるT様の視点からも「女性の美しさ」への共通点となりました。
また、T様に実際に美尻鍼を受けていただいたのですが「からだの中心を捕らえる感覚が研ぎ澄まされて、立ったときの軽さが全く違う!重心が取りやすい~!」と、ダンサーならではの専門的なご感想を頂きました(笑)
T様はさすがにプロなので見た目で重心がズレたようには全く見えなかったのですが、ご自身の感覚の中の「重心のズレ」を細やかに感じ取られていらっしゃったのだと思います。
筋肉のコリや引きつれ感が、背骨や骨盤に負荷をかけると、望ましい姿勢を取りづらくなります。
とくに大腰筋は背骨から骨盤を通り、太ももの骨に付くので、重心の取り方に大きく影響します。
大腰筋のコリのために、重心がズレたままバランスを取ると、そのズレを補うために他の筋肉も使ってなんとかバランスを取ろうとしてしまいます。すると、からだが不自由になり、しなやかさを失い、動き全体も安定性がなく、もたついてしまうんですよね。
「重心、大事!大腰筋のはたらき、めっちゃ大事~!」と、T様のつぶやきでした(笑)
姿勢はからだのどこが支えているの?
今でもたまにですが、姿勢を「筋肉で支える」と考える方にお会いすることがあります。
とくに大腰筋は、からだの中心に近いところを通るため、勘違いされやすいのかもしれませんね。
でも、冷静に考えると「支える」と「動く」って静と動の真逆の働きなんですよね。
だから筋肉で”支え” ながら、同時になめらかに"動く" と考えるのは、実はかなり矛盾があるんです。
姿勢は「大腰筋で支える」のではなく、骨で支えます。
大腰筋の役目は、姿勢を骨で支えやすいように、骨盤や背骨の位置をコントロールすることです。
T様の「中心を捕らえる感覚」とは「骨盤や背骨の位置をコントロールする感覚」のことで、大腰筋が本来の柔軟性が高まり、その感覚が「より研ぎ澄まされた」ことを意味しています。
実際にからだを駆使される方だからこそ、美尻鍼の理論と実際のパフォーマンスを検証するのに誤魔化しの効かない実証実験を行うことができました。
香庵の美尻鍼は、日常生活での動作からダンスなどの激しい動きまで、女性が年齢を重ねても、軽やかにすこやかに健康的な活動をサポートする可能性を確信した体験会でした。
T様、美尻鍼の体験会のすべてのお時間が本当に楽しかったです!ありがとうございました!
そして、貴重なご感想ありがとうございました!!!
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