ぎっくり腰とは
ぎっくり腰とは、
突然、腰に激しい痛みを起こす急性腰痛です。
一般的に「ぎっくり腰」とよばれています。
痛みの原因には筋肉、背骨周りの軟骨(椎間板)や関節に負荷がかかって起きると考えられていますが、画像検査で映し出すことができないため、原因を特定することはできません。
しかし、ぎっくり腰は時間の経過とともに治るから、あまり心配する必要はない、と整形外科では考えられているようです。
ぎっくり腰を起こして、この記事を見つけてくださった方の中には、
そんなこと言っても、全然治る気しないんだけど・・・・・・(T_T)
っていうか、この激痛、一生このままなんじゃ・・・・・・(ノ_;)
・・・って、悲観的に感じて読まれている方もいらっしゃるかもしれないですね。
実は、私自身もぎっくり腰の経験者です!(笑)
初めてのぎっくり腰は幼稚園時代でした☆
はるか遠き昔のことゆえ定かではありませんが、とにかく痛くて歩けなくて、おばあちゃんにおんぶしてもらって隣の家に連れて行かれ、マッサージチェアを使わせてもらって治った記憶があります。
(そんなザックリしたケアで治るんだから、だいぶ単純だったなぁ~・笑)
その後も、さまざまなケースのぎっくり腰を経験したし、鍼灸師になってからは、多くの方のぎっくり腰の治療に関わらせていただいています。
その度に不思議に思っていたのが、ぎっくり腰になった方が欲しい情報って、ちゃんとあるのかな?という疑問でした。
ぎっくり腰についての整形外科的な説明や「うちに来たら治ります!」という広告は数あれど、
私が感じているこの激痛と動けない状態は、
いったい、何なの?
そして、今後どうなるの・・・!?
・・・ってことを、皆さま、もっと知りたいんじゃないかな?
でも、その疑問に答えてくれる情報が少ないんじゃないかな?と感じました。
そして、この疑問は、香庵にぎっくり腰で来院される皆さまから必ずいただくご質問でもあったんです!
そこで、ぎっくり腰を起こしている真っ最中の方を中心に、ぎっくり腰経験者の皆さまに向けて、
ぎっくり腰ってそういうことだったのか!!!( ゚д゚)ハッ!
そんな気付きになるような情報をシェアしたいと思いました(*´▽`*)
ぎっくり腰は、本人は激痛で動けない苦しみがありますが、見た目ではそのツラさが伝わりにくく、周囲からはあまり理解されないという、残念な隠れた側面があります(;^ω^)
そのため、孤独な状態に陥りがち、という心理的なダメージも受けやすいです。
これからご紹介することが、ぎっくり腰という症状の意味、心の孤独感やお身体との向きあい方などに励ましと癒やし、そして回復へのヒントとなれたらいいな♪と思います。
経験者に聞いた!ギックリ腰あるある
ギックリ腰は急性の腰痛です。
だけど、ギックリ腰になった方にとって単なる「急性の腰痛」という括(くく)りでは済ますことのできない心とからだの変化も。
ぎっくり腰には「ぎっくり腰あるある」があります。
ぎっくり腰にともなう症状をチェック項目にしましたので、どのくらいご自身に当てはまるかチェックしてみてくださいね。
~ギックリ腰あるある~
□ 突然の激痛に驚きうろたえる(初体験時)
□ 突然の激痛に「またやっちまった…」と心の中で呟く(経験者)
□ 思い通りに動かない身体に苛立ちを感じる
□ 今後の予定が行えるかどうか考える
□ ほとんどの姿勢や体勢で激痛
□ 身体をどう動かしていたのかわからなくなる
□ 15分以上同じ姿勢でいられず体勢を変えたくなる
□ 違う体勢にしたくても激痛でなかなかできない
□ 歩幅が狭くなり全体的にすり足になる
□ 激痛が起きてる正確な部位がよく分からない
(からだの奥の方に痛みを感じるが触れられない)
□ 頭を下に向けると腰に響くような痛みがある
□ 前かがみの動作ができない
(顔を洗う、うがいをする、おじぎをするなど)
□ トイレまで何分で到着できるか常に考える
□ トイレでの動作ひとつひとつに激痛がある
(お尻を拭けない、ズボンを下ろす・履くができないなど)
□ 腕を横に伸ばすと腕の重みで腰に激痛がある
(カーテン閉める、物を取る、服の袖に腕を通す)
□ サッシや引き戸を開ける時に激痛がある
(閉めるときは意外にも痛みが少ない)
□ 階段の昇り降りは激痛があり不安
(駅の階段では「後ろからぶつかられたら絶対落ちる…」と妄想が広がり不安感が増す)
□ くつ下が履けない
□ ノートパソコンでの作業が短時間でしか続けられない
□ 電車では座りたいけど立ち上がる時に起きる激痛が怖くて座るのをためらう
□ 一度座ってから立ち上がる時に激痛がある
□ 一度寝てから起きあがろうとすると激痛で動けない
(起き上がるまでにやたらと時間がかかる)
□ どの姿勢で寝ても重くて鈍い激痛がある
□ もう一生このまま激痛が続くのではないかと不安
□ 数日経過すると朝の起床時にだけ激痛が残る
□ 毎朝この激痛が一生続くのではないかとやっぱり不安になる
いくつくらいチェック項目に当てはまりましたか?
ひとことでギックリ腰といっても、傷める部位や範囲、痛みの程度などには個人差があります。そのため、上記にあげたチェック項目に当てはまることもあるかもしれないし、ここには挙げていないものもあるかも知れないですね。
実は、このチェック項目は、ぎっくり腰になられて香庵へ来院された方々の声を集たものです。
香庵では、ぎっくり腰の治療に取り組んでいますが、見た目ではギックリ腰の激痛や動けない状態に共感されにくく、上記のような症状が自分にだけ起きているのではないかと不安感や孤独感すら感じる方が多いです。
だけど、ぎっくり腰ってこういうものなんだ!って分かると、少しだけ安心できるかもしれません。
↑そりゃぁ、もちろん、激痛がスグに改善するわけではないとは思うけど・・・( ̄▽ ̄;)
次に、日本だけではなく、世界のぎっくり腰についてご紹介します。
洋の東西を問わず、ぎっくり腰になる人はいる、ということ。
さらにぎっくり腰の対処方法やご自身のからだとの向き合い方をご紹介します!
"魔女の一撃"の異名を持つぎっくり腰
ぎっくり腰は、単なる「腰の痛み」「腰痛のちょっとひどいもの」ではなく、突然の激痛と行動の制限と不安感が心とからだを一気に駆け巡ります。
1秒前までいつものように動けていた自分の身体が、突然の激痛とともに動かなくなり、自分の意志ではどうにもならない「身体」となってしまう恐怖…((((;゚Д゚))))アワワ...
そのため、ヨーロッパではぎっくり腰のことを「魔女の一撃」と呼ぶそうです。
ぎっくり腰は急性の腰痛です。
早期の適切な治療で「慢性の腰痛*」に移行させないようにしましょう。
※「慢性の腰痛」とは、常に腰に重だるさと痛みを抱えて日常での行動が制限されることが増えていく腰痛の症状です。
ぎっくり腰は、丁寧にしっかり治療して緩和・改善させることで、今後、ぎっくり腰を繰り返す確率もグンと少なくなります。
魔女にかけられた強烈な魔法を解いていきましょう!
ぎっくり腰の対処方法
ぎっくり腰になったときは、激痛と動けない状態が同時に起きます。
そのため、まず、とにかく安静にします。
すごく地味な対処方法.......って感じるかもしれませんが(;^_^A
とにかく、身体が少しでも楽な姿勢、痛みを和らげられそうな姿勢で安静に寝て過ごすのが最善の対処方法です。
仰向けでは膝の下にクッションを当てたり、横向きでは太ももの間にクッションをはさむようにすると腰まわりの筋肉がゆるみやすくなり、回復もしやすいです。
湿布を貼ることを考える方もいらっしゃいます。
ぎっくり腰を起こした部位にそっと触れてみて熱感があるようなら冷湿布を貼ってみるのも良いかもしれません。
香庵では、ぎっくり腰でも少し動けるようになられた時点で来院していただき鍼灸治療を行っています。
治療内容は、症状を起こしている部位によって個人差があるので一概には言えないのですが…最近、ぎっくり腰で来院される方々の多くが、パソコン作業などで同じ姿勢をキープし続けることで、腰の深部の筋肉に疲労が溜まりギックリ腰になられるケースがとても多いです。
また座っている時間が長く、腰まわりの筋肉を圧迫し続けるために、おしりから太ももの裏やふくらはぎに痛みやしびれを起こす坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の症状を併発されている方もいます。
お
ただでさえぎっくり腰は激痛で動けないのに、その上、坐骨神経痛で脚(あし)の痺れや痛み(電気がビリビリと走るような痛み)まで重なるケースは回復に時間もかかります。
そうならないために普段からの予防が大事なのですが、すでにぎっくり腰になられた方や坐骨神経痛まで併発された方は、なるべく早めに治療を開始して回復を目指していきましょう!
深部の筋肉の激痛(ぎっくり腰を起こしているところ)は、「自分で押してみてもどこが痛いのか分からない」ということも特徴の一つです。
鍼灸治療は身体への負担を最小限にとどめながら、指圧では届きにくい深部の筋肉の疲労を取り激痛を緩和して改善してまいります。
最後にぎっくり腰を通して、おからだ様が伝えたいメッセージについて解き明かしていきます。
(おからだ様とは、心とからだの総称で、香庵で使っているキーワードです)
からだに起こる" 不都合な真実 "
〜ぎっくり腰はおからだ様のストライキ⁉︎〜
ぎっくり腰は「おからだ様のストライキ」と、香庵ではお伝えしています。
何に対してストライキしてるのか!?
脳から際限なく出される指令に対してのストライキです( ̄▽ ̄;)
脳と身体のバランスのズレが不幸の始まり?
脳は、指令を出すのが大好き、または、得意です。
身体は、イキイキ動くのが大好き、または、得意です。
だけど、脳と身体それぞれの働きが長時間ヒートアップするとお互いに不満が出てくるんです。
脳:もっと!やる事ある!まだまだ足りない!
身体:がんばってやってるのに十分に休めない!
ひとりの人間の中で、脳と身体のバランスにズレが生じます。その歪(ひず)みは知らぬ間に少しずつ大きくなっていきます。
脳は「今、やりたいこと」「今、やらなければいけない(と思っている)こと」のために、身体を動かそうとします。
脳が司令塔として「やりたいこと」を実行できるように身体に命令する。
ここに限界はありません。無限にできるんです。
身体は脳からの指令を実行するために動きますが、疲労が溜まったら回復する時間が必要なため限界があるんです。
脳からの無限の指令が身体の限界を越えると、身体はついに悲鳴を上げます。
事実は脳内で起きてるんじゃない!
現場で起きてるんだっ!!!
これ以上、おとなしく脳の言うこと聞いてたら壊れるわ!もうムリ〜〜ッ!!!
…ってなった瞬間に、ふと、何気ない動きにさえ対応出来なくなり、ぎっくり腰を起こします。
これがぎっくり腰は「おからだ様のストライキ」と、香庵でお伝えしている理由です。
普段、どんなに脳がムチャ振りをしても黙って命令に従うおからだ様は、ある意味、脳にとっては「便利な存在」かもしれません。
でも、あまりにも過度な労働時間と労働内容を要求され続け、ボーナス(ねぎらうこと、休むこと)すらない労働環境に対しては、
「ぎっくり腰」という手段で脳からの指令に対して拒否権を行使するんです。
この記事を読まれてる方でぎっくり腰真っ只中の方にとって、
身体に拒否権とかいらないし!(T ^ T)
黙って脳の言うこと聞いて動けばいいのに…!
と感じる方もいらっしゃるかも知れませんね。
確かに、黙って粛々と、なんなら24時間ぶっ通しで動けたほうが、いろいろと都合が良いかもしれないですものね( ̄▽ ̄;)
でも、身体は、疲労が溜まったら回復する時間が必要なため限界がある、という大原則があります☆
おからだ様が、ストライキ(ぎっくり腰)というブレーキさえ使えない状態で限界を超えて働いたとしたらどうでしょう?
その先には、脳血管系などに負荷がかかっておこる病気や燃え尽き症候群などの心の病、疲労がたまった状態で集中力が切れた時に起きる事故など、もっと違う症状となって現れる可能性もあります。
そう考えると、身体の大原則を無視する(疲れても休まない)ことは、とても健康リスクが高くなると言えるのではないでしょうか。
ぎっくり腰のときに大事にしたいこと
~おからだ様が届けたいメッセージとは~
ぎっくり腰はある意味、
これ以上、ムリしたら心もからだも壊れちゃうよ…って言っても聞かないよね!?
じゃぁ、めっちゃ激痛という代償を払うことになるけど、アナタのことを止めるよ?
だって、大事なアナタだから!!!
しっかり休んで回復してほしいから~っ!(ノ_<。)
そんなおからだ様からの強い愛のメッセージでもあるんです。
なんか・・・・・この事実を知ると、
ぎっくり腰を起こしていることがちょっと切なくなっちゃいますよね(ノД;`)
ぎっくり腰を起こすということは、もう、それまでに頑張りすぎて無理を重ねてきたという証拠を提示されたようなものです。
"おからだ様"にストライキを解除してもらえるようなぎっくり腰へのアプローチを行っていきましょう!
そして、"おからだ様"にまた気持ちよく動いてもらえるようにぎっくり腰をしっかり治していきましょう!それは自分自身を大事にする、ということにつながります!
この記事をご覧になられている方の中にはぎっくり腰真っ只中!と言う方もいらっしゃると思います(⌒-⌒; )
長文にお付き合いいただきありがとうございます!
ぜひ、今感じている激痛と動けない苦しみを"おからだ様"の愛のメッセージとして読み取り、回復に向かえるようサポートできたらうれしいな、と思います。
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)
東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号
五反田駅をご利用の方
JR山手線・都営浅草線 五反田駅西口改札 徒歩5~7分(約500m)