
【本日の目次】
噛みしめ(食いしばり)の症状のご相談
海外から定期的に来院される50代男性N様。今回は全身のお疲れと首肩のコリのケアをご希望で来院されました。
この日のN様は、首肩のコリとともに、全身のチカラが抜けなくなってるかのようにガッチガチに固まったお身体をされていらっしゃいました。
ある程度、鍼灸治療をすすめたところでN様から噛みしめ(食いしばり)についてのご相談がありました。
そこまでひどいわけじゃないけれど、夜、寝ているときに噛みしめ(食いしばり)をしていたな~と感じることがあります。
顎周りの筋肉が疲れて目が覚めるときもあるので気になっているのですが、鍼灸治療で変わりますか?
・・・とのことでした。
噛みしめ(食いしばり)症状に特化した鍼灸治療

香庵では噛みしめ(食いしばり)症状に特化した鍼灸治療を行っています。
噛みしめ(食いしばり)症状にお悩みの方は、噛みしめ(食いしばり)症状専用の治療プログラムを受けていただいております。
そのため1回の鍼灸治療で、噛みしめ(食いしばり)症状と他の症状(例えば腰痛など)を組み合わせて行うことは、あまりオススメしていません。
その理由は、たとえば、噛みしめ(食いしばり)症状と他の症状の鍼灸治療を1回の鍼灸治療で行うと、どちらも治療効果が下がってしまうことがこれまでのケースで分かっているからです。
おそらく、鍼の数が増えることで、お身体への刺激量=情報量が多くなりすぎるため、お身体がうまく反応できなくなってしまうのではないか、と考えています。
ただ、人のからだは、次の2つはできない、という特徴があります。
・思いっきり噛みしめ(食いしばり)をしながら、同時に首から下を完全に脱力する
・思いっきり全身にチカラを入れながら、同時に口をポカーンと開けて完全に脱力する
これ、実際にやってみると、噛みしめ(食いしばり)と全身って、つながってるんだなぁ~♪(゜∀゜*)って、実感できるんですよね(笑)
噛みしめ(食いしばり)症状と他の症状(例えば腰痛など)を組み合わせた鍼灸治療はオススメはしていないけれども......
噛みしめ(食いしばり)症状が改善してくると、全身の筋肉も連動してコリや痛みの改善に良い影響を及ぼすことができます。
また、逆にお身体全体の筋肉の緊張やコリ、疲労感をしっかりケアすることで、噛みしめ(食いしばり)症状にも良い影響を伝えることができます。
香庵の噛みしめ(食いしばり)症状に特化した鍼灸治療がお身体の症状と連動させることができる理由は、東洋医学の「全体と一部はお互いに影響しあっている」という基本的な考え方にのっとってプログラムされているので可能となっています。
今回のN様の噛みしめ(食いしばり)治療は、お身体全体の筋肉の緊張やコリ、疲労感をしっかりケアした結果、噛みしめ(食いしばり)症状が改善された事例としてご紹介いたします。
噛みしめ(食いしばり)の症状について
今回のN様の鍼灸治療では、すでにある程度、お身体の疲労と首肩周りの強いコリにターゲットを絞った鍼灸治療を進めている途中でした。
しかし、噛みしめ(食いしばり)症状についてのお悩みがあることが分かったため、ここまで進めてきていた鍼灸治療と併せて診断し直し、治療プログラムを再構築しながら進めていくことにしました。
噛みしめ(食いしばり)に関する香庵の診断・分析
N様の噛みしめ(食いしばり)の状態を把握するために、噛みしめる動きを行っていただきました。
下顎を上の歯に引き寄せる動きによって働く左右のこめかみにある筋肉のコリの状態をチェックしました。
噛みしめる動きによって、左右のこめかみにある筋肉が同時に動くことができない状態になっていました。
とくに、左側の筋肉に強いコリがあり、スムーズに動けない状態であることが分かりました。
次に、N様に口を大きくゆっくりと開ける動きを行っていただきました。
手の指(人差し指・中指・薬指)をピッタリとくっつけた幅(約4cm)が口の中に入るかをチェックしました。
すると、ギリギリ入らなくはないけれど、口を開けにくくなっていることが分かりました。
さらに頭と首の境目のコリの状態と動きをチェックしました。
頭と首の境目のコリは、N様ご自身が自覚されるほどハッキリと現れていました。触診でもかなりコリが強くガッチガチに固まっているような状態でした。
頭と首の境目の動きについては、通常、口を大きく開けようとすると頭と首の境目も連動して動きます。
しかし、噛みしめ(食いしばり)症状が現れている多くのケースでは、口を大きく開ける時に頭と首の境目が連動して動くことができなくなっている、という特徴があります。
今回のN様のケースは、口を大きく開ける時に頭と首の境目が連動して動くことができないほど首肩の強いコリが現れた結果、噛みしめ(食いしばり)症状を起こしやすい状態となったと分析しました。
噛みしめ(食いしばり)の施術内容と経過
まずは首肩のコリとともに、全身のチカラが抜けなくなってガッチガチに固まったお身体をゆるめていく鍼灸治療を行いました。
同時に、頭と首の境目で、噛みしめ(食いしばり)症状に影響を及ぼしているポイントを探しました。
そのポイントに鍼をするのですが、N様にとって、まるで指圧をされているかのように感じられるようなテクニックを使いながら鍼を行いました。
鍼は単に「刺す」だけの道具ではなく、いろいろな「手技」があります。今回は、噛みしめ(食いしばり)症状の改善に向けて効果的な鍼のテクニックを選びました。
施術後、噛みしめ(食いしばり)の状態をN様とともにチェックして共有しました。
下顎を上の歯に引き寄せる動きをする左右のこめかみにある筋肉のコリの状態をチェックしたところ、左右の筋肉が同時に動くことができるようになっていました。
手の指(人差し指・中指・薬指)をピッタリとくっつけた幅(約4cm)が口の中に入るかのチェックでは、3本の指の幅が余裕をもって入るほど口を開けることができるようになっていました。
そして、N様にとって、この変化が「1番驚いた改善結果だった!」そうです。
頭と首の境目のコリの状態は、頭と首の境目から首の後ろから肩周りにかけて、ふにゃふにゃと柔らかくゆるんでいることを実感していただきました。
頭と首の境目の動きのチェックでは、口を大きく開けるのと連動してなめらかに頭と首の境目が動くことができるようになっていました。
口の動きと頭と首の境目がスムーズに連動することにより、噛みしめ(食いしばり)がしにくくなります。
そして唇を閉じていても、口腔内では上下の歯の隙間が数ミリ開いている本来の健康的な状態をキープできるようになりました。
噛みしめ(食いしばり)治療の振り返り・院長より
海外在住でかなりハードワークなお仕事をされているN様。今回、日本に到着されてそのまま香庵へ来院されました。
日本でも提携先とのお仕事があるとのことで、なかなかゆっくりとした休暇もとれないそうですが、N様としては「休んでいるよりも仕事している方が落ち着く」とのこと。
でも、お身体の状態を診断すると、かなりお疲れも溜まっていらしゃるし、コリの度合いもかなり強くなっていらっしゃいました☆
いつも香庵での鍼灸治療をとても楽しみにしてくださっているとのことで「今回も、スッキリして身体が軽くなりました!」と笑顔になっていただくことができました。
今回、N様の噛みしめ(食いしばり)症状の改善に向けて、頭と首の境目で、噛みしめ(食いしばり)症状に影響を及ぼしているポイントを重点的に使って鍼灸治療を行いました。
また次回、来院されるときに噛みしめ(食いしばり)症状の有無をお伺いして、症状が強く現れていた時は、ぜひ、香庵の噛みしめ(食いしばり)症状に特化した鍼灸治療を受けていただけたらうれしいな、と思います。
N様、ぜひまた次回のご予約の日時にお待ちいたしております!(*´▽`*)
いつもご利用ありがとうございます。
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)について

当院の院長、加藤は国家資格を取得しております
・鍼師(2000年~)
・灸師(2000年~)
・あん摩マッサージ指圧師(2000年~)
また、第43回日本伝統鍼灸学会学術大会、世界鍼灸学会連合会学術大会WFASなどにて発表経験もあり、研究成果の発表も行っております。
場所:東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号
五反田駅をご利用の方
JR山手線・都営浅草線 五反田駅西口改札 徒歩5~7分(約500m)