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交通事故後に現れた自律神経系の症状改善事例/40代男性(五反田 鍼灸院)



【本日の目次】





交通事故による自律神経系の反応とは






交通事故など突然の衝撃に対して、からだは本能的に「緊急事態」ととらえて、衝撃から身体を守ろうとする防衛反応が起こります。




この防衛反応では自律神経系の反応も同時に起こります。

瞳孔が開き、鳥肌が立ち、呼吸が早くなり、血圧が上昇し、筋肉への血流量が増加して、即座に動ける(逃げる/闘う)ための準備を行います。その反面、腸の活動低下や腸血流の減少、睡眠の質の低下などが起こりやすくなります。



つまり、緊急事態が起きたとき、からだは「厳戒態勢」になって、緊張しっぱなしの状態をキープしようとします。




その結果、胃腸の機能低下(ゆっくり食事を味わっている場合じゃない!という反応)や、よく眠れない(いつでもパッと起きれるようにしなきゃ!という反応)などの症状が現れてしまいます。




これらの状態がすぐに解けてくれれば体調への影響は最小限で済むのですが、心とからだにショックが大きすぎたり、交通事故という出来事が自分の中で消化できないと、いつまでも交通事故にあった直後のような反応が続いてしまうことがあります。




今回、交通事故にあわれた方の症例を通じて、自律神経系の症状がお身体のどんなところに、どんな反応が現れるのか、鍼灸治療によるアプローチなどをシェアしたいと思います。








症状について






定期的に来院されている40代男性の I 様。

もともと香庵へ予約を入れていた日に来院されましたが、交通事故にあってしまった、とのことでした。




2日前に家族でドライブ中、信号のところで止まっていたら後ろから追突された。

病院でレントゲンやMRI検査を受けたがとくに問題なしとのこと。




しかし、背中や腰が痛くて夜眠れない。




仕事が忙しくていつも背中や腰が痛くなるから、そのせいかもしれないけど、事故との関連もあるのでしょうか...?とのことでした。







香庵の診断・分析





病院での検査では特に問題なし、と結果が出たという I 様。




しかし、仰向けでは、肩やウエストの後ろがベッドから浮き上がり、筋肉の緊張状態あかなり強いことを示していました。




さらに、背中の触診をしたところ、背骨全体がガッチガチに固められたように硬くなって、本来のしなやかさが失われてしまっていました。




I 様のケースは、その後もハードワークが続いており、なかなかリラックスした時間を過ごすことが難しいということがありました。




交通事故後もハードワークが続き、自律神経系の緊張状態がそのまま持続した結果、背中や腰の痛み、背骨全体がガッチガチに固まったような状態となって現れたのだと分析しました。






施術内容と経過







おからだ全体のバランスを整えながら、左右の歪みなどを取ったあと、うつ伏せの姿勢になっていただきました。




背中の触診で背骨全体がガッチガチに固められたように硬くなって、本来のしなやかさが失われているのをゆるめていくために、背骨の際で反応のあるところに鍼とお灸をしていきました。




鍼をしたまましばらく休んでいただき、背中全体がゆるんで背骨がしなやかさを取り戻した状態を確認して鍼を取りました。




再び仰向けの状態になったときには、背中全体がベッドに広々とついて、身体をベッドにゆったりと預けていられる感覚を取り戻していただくことができました。




これは、本来 I 様のからだが本能的にリラックスしていることを認識できている状態です。




余分なチカラが抜けて深い呼吸もできているので、この日の夜、早めにお休みいただいて回復を高めていただくようにしました。








治療の振り返り・院長より







普段のお仕事がそもそもハードワークの I 様。

首・肩・背中・腰.....と、いつもバリバリに筋肉がこわばり、コリと痛みのために熟睡できない、というお悩みで来院されます。




でも、この時は、さらに背骨がガッチガチに硬くなりしなやかさを失っていました。

しかし、I 様ご本人は、背骨の状態を自覚できないほど感覚が鈍くなってしまい呼吸が浅くなっていることにもあまり気づかない状態でした。




交通事故直後にすぐに病院で画像診断を受けられたことで、安心できたことはとてもよかったと思います。




さらに画像や血液検査などには現れないおからだの不調にもアプローチ・改善できたことで、より安心して過ごしていただけると思いました。





交通事故後の衝撃については、事故直後には症状があまり現れなかったり、症状が無自覚なケースがあったりしても、時間がたってから心身への症状として現れるケースがあります。




すでに時間が経過しているため、かなり頑固なしつこいコリや痛みの原因について、ご本人も交通事故との関連性があると思いつかなかった、というケースもあります。





今回は、定期的に来院される I 様との会話で、交通事故からあまり時間が経過していない状態で処置することができたことは、I 様にとって本当にラッキーなことだったのではないかと思います。





後日、交通事故にあわれたときに車に同乗されていらした I 様の奥様からも治療のご依頼をいただきました。

かなり怖い思いをされたとのことで、お話をお伺いしながら心身ともにリラックスできるように鍼灸治療でサポートしていきました。




交通事故後は無意識のうちに心とからだに負荷がかかり、緊張状態が続いてしまうケースが多いです。




I 様と奥様ともに、交通事故後のおからだのサポートができましたことうれしく思います。





いつもご利用ありがとうございます。


 

五反田の鍼灸院 香庵(かのん)について

当院の院長、加藤は国家資格を取得しております ・鍼師(2000年~) ・灸師(2000年~) ・あん摩マッサージ指圧師(2000年~) また、第43回日本伝統鍼灸学会学術大会、世界鍼灸学会連合会学術大会WFASなどにて発表経験もあり、研究成果の発表も行っております。

場所:東京都品川区大崎5-4-7ハイツ五反田203号

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