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夏バテが原因の胃腸症状改善事例/30代女性(五反田 鍼灸院)



8月に入り夏バテの中でも夏バテが原因の胃腸症状がとにかく多いです。




定期的にお身体のメンテナンスで来院される30代女性T様もそのお一人です。




今回は夏バテしてしまい、胃腸が動いていない感じがあり、食べたものがずっと胃の中に残ってスッキリしないというご相談でした。





症状について





今年に入ってから大好きな実家に1回も帰省できておらず夏の休暇もずっと自宅で過ごしていたとのこと。


会社員をされていますが現在、在宅勤務でほとんど自宅の同じ場所に座ってパソコンと向き合っているだけの生活が1年半以上続いているそうです。


最近はリフレッシュする機会がなく憂うつな気分になってくることもあるとのこと。


運動不足だが食欲は普通にあるので食べられる。

でも食べたあといつまで経っても消化してない感じで胃腸がスッキリしない。






香庵の診断・分析





T様のお話からお仕事をされている時間が1日のほとんどを占めるというかなり偏った生活スタイルであることがわかります。



お仕事もパソコンでかなり専門性の高い業務とのことでした。

長時間同じ姿勢で神経を使う緻密な作業が続き心身ともに慢性疲労になっていました。




また、暑くなると仕事に集中できないため日頃から冷房を効かせているとのこと。

そのためかこの日の外気温が35℃の中、来院されたにもかかわらず足先は冷たく爪の色も白っぽくて冷房による「冷え」の状態が現れていました。




お昼ご飯はサッと済ませて仕事に戻るため手軽なものを買って済ませている日が続いたとのこと。

パソコン作業を続けているとあまり空腹を感じないため仕事の合間に食べることが多い。

食事時間は不規則だそうです。





その結果、判断力や決断力、集中力などを使いすぎてエネルギーを消耗してしまったうえに胃腸の消化リズムも乱れたようでした。

「元気」を作り出す胃腸も本来の活動ができず、消化機能の不調として現れていると診断しました。




鍼灸治療の診断の基本である脈診でお身体のエネルギーバランスを診断すると、身体が常に緊張状態にありリラックスできていないこともわかりました。

腹診ではみぞおちが硬く詰まったような感覚があり、少し押すと圧迫感が強く現れていました。




身体が「戦闘態勢」になっている状態では胃液の分泌が抑えられるのです。

消化・吸収のための胃液が分泌されるにはリラックスモードになることが必要でした。







施術内容と経過





まずは身体のエネルギーバランスを整えるベースづくりからスタートしました。

判断力や決断力、集中力などの使いすぎによるエネルギー消耗を補うことができるツボに鍼をしました。



鍼は皮ふに対して0,5㎜以内の刺激に留めました。




夏バテが原因の胃腸症状はおからだの緊張状態をゆるめる必要がありました。

T様の状態はからだの中心(背骨)が硬くなっているところが最も大きな問題点でした。




そこで背骨全体をゆるめていく効果の高いツボをいくつか選び鍼で刺激しました。




うつ伏せの状態では胃腸症状に直接かかわるツボを中心にチェックしていきました。




みぞおちの後ろあたりの背骨の際に、筋肉が引きつれて固まったような強いコリが見つかりました。




ちょうど背骨をはさむようにコリが連なっていました。

胃の不調に効果があるツボが集中しているエリアでした。




 

コラム:胃の不調に「胃の六ツ灸」




背中には胃の不調がある時に使う超~~~~~有名なツボがあります。




「胃の六ツ灸」と呼ばれています(*^ω^*)




古来より胃の不調を改善する効果の高い六つのツボとして伝えられてきました。




胃の六ツ灸は、鍼灸師になるための国家試験でも出題されるメジャーなツボです。




今回、T様の胃の不調をあらわすコリもまさに「胃の六ツ灸」にあらわれていました。






でも、鍼灸師になりたての頃の私は「胃の六ツ灸」を使っても効果を実感できませんでした。




こんなの臨床には使えないじゃんっ!

国家試験の出題のためのツボなんじゃないの???(# ゚Д゚)プンプン!




......って思ってましたσ(^_^;)




実はそこには「胃の六ツ灸」の効果を引き出せなかった2つの理由がありました。




理由その1.

「胃腸症状だから胃の六ツ灸を使おう!としていたこと。



理由その2.

教科書通りにツボの位置をキッチリ定めていたこと。




コレ、診断としては間違っていなかったのですが・・・

これでは「胃の六ツ灸」の効果は引き出せなかったんです。




「胃の六ツ灸」の効果を引き出すのに足りなかったもの…




それは、





胃腸症状が現れている方のおからだに合わせてツボの位置を微調整すること。





この視点が足りなかったんです!Σ(・∀・ノ)ノ




ツボっておからだの不調を知らせる反応点なんです。




教科書通りに「決まった位置にあるもの」ではないのでちゃんと治療を受ける方のおからだを診ることが大事なんです




同時にその反応点を的確に刺激することでお身体の不調を改善できるものなんです。





鍼灸師の先生方にはお馴染みかもしれないですが、名著「深谷灸法」のなかにも深谷先生の言葉として同じことが格調高く記されています。

「理論よりも、先験よりも、その病人のからだに現れている治穴を探しもとめること」と(^人^*)





その真意が腑に落ちた瞬間「そっかぁ~~~~~!(*´艸`*)」ってうれしくなった経験をお持ちの先生もいらっしゃると思います。←え?私だけ!?(笑)




今では香庵でも大活躍の「胃の六ツ灸」!!!



こんなに効くってすごいツボだぁ〜っ!!!



…と感動しながら毎回使っています(*^▽^*)





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施術後、胃腸症状が現れる背中エリアをチェックするとコリがゆるんで柔らかくなっていました。




同時にT様も「呼吸がラクになった気がする。深く息が吸えるし、吐く時にお腹がグルグル動きました~!」とのことでした。




再び仰向けになっていただき腹診でおからだの状態をチェックすると、みぞおちの硬かったところがゆるんで柔らかくなり押しても圧迫感がなくなっていました。脈診でもおからだ全体の調子が整ったことを確認して終了しました。






治療の振り返り・院長より





後日、来院いただいたT様からのご報告では、夏バテも胃腸の不調も改善して快適に過ごせていたとのことでした。





ただ、毎日在宅勤務で冷房が効いた部屋でパソコンに長時間向き合っていて食事も不規則のままで、施術前と生活リズムはあまり変わっていないそうです。




そのため前回の施術から2~3週間後にはまた夏バテによる胃腸症状が現れたとのことでした。

(そのため再び来院されたとのことでした)




夏バテによる胃腸症状は自律神経系のさまざまな症状を引き起こしてしまいます。

おからだが冷房や冷たい飲み物・食べ物などによって冷えることと外気温の蒸し暑さの温度差が大きすぎて、身体の調節機能が付いていかず自律神経系に負担がかかり過ぎてしまうからです。




その状態を放置していると秋から冬にかけて本格的な病気や慢性的な不調に悩まされることがあります。






T様にもそのことをお伝えしたところ「夏の終わりを迎えるまでは夏バテによる胃腸症状の治療を定期的に受けたいです!」とリクエストをいただきました。






世の中の状況やお仕事、生活リズムはすぐには変えられない......(>_<;)


でもこのままだと夏バテも胃腸症状も気になる......(;>m<)





とお悩みの方は、一度、お気軽にお問い合わせくださいね。






T様、まだしばらく暑い日々が続きそうなので、また次回も夏バテと胃腸症状も含めたおからだのメンテナンスをして参りましょう!

次回のご予約日にお待ちいたしております。





いつもご利用ありがとうございます。






夏バテの基本的な予防や対応策についての記事をアップしています(*´▽`*)

夏バテの症状やメカニズム、予防や対処法など詳しく知りたい方は参考になさってみてくださいね!






 

五反田の鍼灸院 香庵(かのん)

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