以前からたびたび香庵のホームページを見てくださっていたという40代女性のY様。
主婦業をされながら、自営業の旦那様のお手伝いで事務作業をされているとのことでした。
今回、ぎっくり腰になられたのをきっかけに、兼ねてより気になってた香庵の鍼灸治療を受けてみようと思ったとのことでお問い合わせをいただきました。
旦那様との会話の中でも香庵のことが話題になることがあり、旦那様からも「この機会に行っておいで~!」と言われたとのこと。
もともと慢性腰痛があるというY様。
腰が痛い日常には慣れているけど、ぎっくり腰の激痛は慢性腰痛とは質が違いすぎてどうにもならない、と、香庵にお問い合わせいただき、ぎっくり腰翌日にご予約いただきました。
症状について
昨日の朝、ベッドから起き上がる時に左の腰(ウエストの後ろあたり)に突然の激痛。
ゆっくり動いてみたが、どんどん痛みが激しくなっていった。
その日の午後には左右の腰全体に激痛が広がった。
7年前に1度、ぎっくり腰を経験していて鍼灸治療で改善した経験があるとのことでした。
それで今回もぎっくり腰だと思い、香庵にお問い合わせしてくださったそうです。
香庵の診断・分析
仰向けで膝を曲げて足の裏をベッドにつけた姿勢で、両膝を左右に揺らしながらどこまで倒すことができるかチェックすると、左右ともギリギリ45度の角度で左のウエスト後ろ辺りに激痛が走り、それ以上動かせない、とのことでした。
昨日の朝、急に起きたという激痛が起こる位置を確認したところ、腰の深部の筋肉の強い引きつれ感・コリ・激痛をともなうことからぎっくり腰と診断。
膝の下に大判のタオルで作った膝用の枕を入れて、ラクに仰向け姿勢で寝ていられるようにしてから治療を開始することにしました。
施術内容と経過
脈診と腹診の診断結果から、
・長期に渡る筋疲労が積み重なり睡眠も充分にとれていなかったこと、
・ぎっくり腰発症の前日までの数日間、事務作業を根詰めて行っていたこと
・同じ姿勢で長時間にわたり、パソコン作業を続けていたこと
・お身体全体の疲労、とくに腰の深部の筋肉に負荷がかかり過ぎていたこと
・全身の筋肉疲労で血行不良で回復しにくい状態であること
・・・などが現れていました。
そこで、まずはお身体全体の筋肉の緊張をゆるめられるツボに鍼をした状態で10分間休んでいただきました。
うつ伏せ姿勢になっていただき、背中から腰にかけて広いエリアの中からぎっくり腰の激痛を起こしている中心部を見つけていきました。
それはインナーマッスルと呼ばれる筋肉群の1つでした。
腰の筋肉の中でも深部にある筋肉です。
もし指圧をしたとしても、その圧がダイレクトに届かないほど深い位置にありました。
実際に押して確認した時も、激痛の中心に近いけど「それだ!」というより「なんか、多分その奥にある位置っぽいかも・・・って感じ?」という感覚でしか確認しづらいところでした。
そこで鍼を使っていくことにしました。
鍼をするのですが「指圧では届かない深部の筋肉に指圧するように鍼をつかう」というテクニックを使います。
深部の筋肉に指圧で無理やり圧を加えようとすると、それよりも先に皮ふや皮ふ表面に近い筋肉群に強い圧がかかってしまう可能性があります。
鍼のテクニックを使うことで、皮ふ表面の筋肉群を避けながら深部の筋肉群へアプローチすることができます。まるで指圧を受けていただいてるような感覚で深部の筋肉のコリをゆるめていきます。
そのための鍼のテクニックでは、鍼をするときの位置と角度が正確であることが条件となります。
個人差の大きい腰の筋肉の付き方を把握しながら、丁寧に鍼をすべき位置と角度を確認しました。
Y様にも「これから鍼をしますが指圧されてる感覚がします」ということをお伝えしました。
この鍼のテクニックで起こす指圧の感覚には大きく分けて4段階あります。
最初は少しモヤモヤっとした感覚
2段階めでは、「あ、コレかな?」という深部の筋肉に指圧の圧が触れたような感覚
3段階めでは、ググッと圧が入ってくる感覚
4段階めでは、持続的にズーン、ズーンと指圧を繰り返されるような感覚
など、段階的に刺激量を変化させていくことができます。
とはいえ、これらすべての指圧感覚を起こす必要はなく、最初のモヤモヤっとした感覚やそれすら感じない状態で鍼をすることも可能です。
指圧をされている感覚を引き起こすのが目的なのではなく、あくまでもぎっくり腰を起こした腰の深部の筋肉群がゆるむことが目的だからです。
ただ、ひどいぎっくり腰や、もともと慢性腰痛からぎっくり腰を起こされた方にとって「そこが1番コリが強くて、日頃からどうにもならないところにググッと刺激がきてる~!効いてる感じがする~!」という感覚は「快」の感覚を引き起こしやすくこの鍼のテクニックを使った刺激は好まれることが多いです。
Y様のケースでは、慢性腰痛からぎっくり腰を起こされていましたが、今回、香庵の鍼灸治療は初診で受けられたので、鍼のテクニックでの刺激では2段階めの「あ、コレかな?」という深部の筋肉に指圧の圧が触れたような感覚あたりで調整しようと思いました。
しかし、かなりコリが強かったのと、強い刺激でもむしろ「気持ちいい感じがする」とのことで3と4段階の間くらいの刺激量で腰の深部の筋肉群をゆるめていきました。
鍼灸治療の最後に再び仰向けになって頂きました。
仰向けで膝を曲げて足の裏をベッドにつけた姿勢で、両膝を左右に揺らしながらどこまで倒すことができるかチェックしていきました。
鍼灸治療前は、左右ともギリギリ45度の角度で左のウエスト後ろ辺りに激痛が走り、それ以上動かせない、とのことでしたが、施術後は痛み引きつれ感ともになく、膝を左右に倒すことができるようになりました。
Y様も「倒せます~!そして痛みが無いです~!」と自然に笑顔になられてました(*´▽`*)
お身体全体もゆるんでバランスが取れたことも確認して終了としました。
治療の振り返り・院長より
7年前に1度ぎっくり腰となり鍼灸治療を受けて以来、とくに日常生活の中でお身体のメンテナンスの習慣はないというY様。
それでも香庵のホームページをよく見てくださっていたということは、お身体のコリや痛み、お疲れなどの不調を日頃から感じていらっしゃったんじゃないかな、と感じました。
ご夫婦の会話の中でも香庵の話題が出るというお話をお伺いして、お互いにいたわり合えるご夫婦関係ってすごくステキだなぁ~(*´艸`*)って思いました!
ぎっくり腰は、香庵では「おからだ様(心とからだの総称)のストライキ」と呼んでいます。
詳しくは、ぎっくり腰真っ最中!という方へ向けて書いた「激痛で動けない!ぎっくり腰になった人へ(五反田 鍼灸院)」でご紹介しています。
もともと慢性腰痛があるY様にとって、ぎっくり腰になられたのはぎっくり腰の治療をキッカケに慢性腰痛の症状も根本的にしっかりケアするチャンス到来!というタイミングだったかもしれません。
ぎっくり腰の症状がなくなってよかった~!と思って頂けたのはよかったのですが、この機会に慢性腰痛のケアにもう少し目を向けていただけたら、Y様にとっての今後の日常生活がより軽やかで疲労感なく過ごしやすいものになるのではないかと思いました。
そのためのツールとしてストレッチや軽い運動から始められてもいいのではないか、とご提案させていただきました。
慢性腰痛とは、慢性的に腰まわりの筋肉が縮こまり硬くなり動きが悪くなっていくということです。もちろん関節まわりの動きも長期に渡ってゆるやかに制限をかけ続けるということです。
10年、20年と年齢をこれから重ねていく先で、足腰に痛みのない状態、関節を自由に思うように動かすことができる状態をつくれるのは今からが勝負♪というところもあります。
ぜひ今後もY様のおからだ様の未来がより自由で軽やかで明るいものになりますようサポートができましたらうれしいなと思います。
この度はご利用ありがとうございます。
五反田の鍼灸院 香庵(かのん)
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